商品パッケージに質感を与えるために欠かせない表面加工。
見た目や手触りに高級感があり、ブランディングに大きな効果を与えます。
一方で、キズが付きやすいという問題を抱えていました。
輸送時などにこすれてしまうと、キズが付いて商品としてダメージを受けてしまいます。
しかし最近ではキズに強い加工法も登場しています。
そこで今回は表面加工の種類やキズ対策についてご紹介します。
化粧箱の表面加工とは?
表面加工には大きく分けて「溶剤系」と「フィルム系」があります。その違いをご紹介します。
- 安価に加工できる「溶剤系」
溶剤系は印刷の表面に溶剤を塗付したものです。溶剤系では「ニス加工」「プレスコート」「マットビニール」などがあります。安価に加工できるというメリットがありますが、保護力は弱めです。またフィルム系のような手触りの良さを出すことはできません。◆ ニス:
印刷物の表面にニスを塗布する方法です。
オフセット印刷で印刷と同時にニスを塗付することができるため、溶剤系の中でもより低コストで加工することができます。
またここでご紹介する他の加工と違い、部分的に加工することもできます。ニス加工の中には「グロス(ツヤあり)」「マット(ツヤなし)」があります。◆ プレスコート:
印刷物に熱硬化性の樹脂を塗布し、加熱した金属ローラーを圧着させる方法です。表面が滑らかになり強い光沢が出るという特徴があります。◆ マットビニール:
印刷後に塩化ビニール樹脂を塗布し、熱を加える方法です。名前の通り、マットな質感が特徴です。名前の通り、マットな質感が特徴です。
- 質感バツグン!「フィルム系」
印刷物の表面にニスを塗布する方法です。オフセット印刷で印刷と同時にニスを塗付することができるため、溶剤系の中でもより低コストで加工することができます。またここでご紹介する他の加工と違い、部分的に加工することもできます。ニス加工の中には「グロス(ツヤあり)」「マット(ツヤなし)」があります。◆ ラミネート:
PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレンテレフタレート)のような薄いプラスチックフィルムを表面に貼り合わせて加工します。PETの方がPPよりもキズが付きやすいとされています。強い光沢・ツヤが特徴ですが、ツヤを消しマットな質感を出す「マットPP」「マットPET」の加工も可能です。◆ Jスクラッチ:
マットPPにさらにキズがつきにくい加工をしたものです。見た目、質感はマットPPとほぼ変わりません。◆ ベルベットPP:
こちらもJスクラッチと同様、キズ対策を強化した加工です。さらにマットPPよりもシルキーな手触りで質感がさらに向上します。またマットPPは濃色が白く抜けてしまう傾向がありますが、ベルベットPPは深い色を出すことができます。
マットPP加工はキズが付きやすい⁈キズ対策には「Jスクラッチ」や「ベルベットPP」がおすすめ
マットPP加工は、マットな質感や手触りの良さは圧倒的な高級感があり、採用されることが多い加工です。
ただし、キズがつきやすいというデメリットもあります。
ツヤがある加工では光が反射してキズが目立ちにくいのですが、マットな加工で濃色の場合は写真のようにかなり目立ちます。マットな質感を出したいが、キズを付けたくない…というお悩みを持つお客様には先ほどご紹介した「Jスクラッチ」や「ベルベットPP」をおすすめしています。
キズ対策をお考えのお客様はぜひご検討ください。
Jスクラッチでキズ対策!事例をご紹介
Jスクラッチ、ベルベットPPは高級感があり、かつキズが付きにくいのが特徴ですが、そのメリットがどうしてもコストに反映されてしまいます。しかし、現状の製作方法と比較してコストが低くなる場合もあります。
この事例ではJスクラッチに変更し、結果的にコストダウンに成功しています。
この事例のお客様は、マットPP加工によるキズに悩まされ、商品パッケージをシュリンク包装して出荷していました。
シュリンク包装とは、熱収縮性のあるプラスチックフィルムで化粧箱をピッタリ包む方法です。
商品パッケージにキズが付くことはありませんが、コストが高く、購入後に商品を化粧箱から取り出すのに手間がかかるという問題がありました。
お客様から相談を受けて、東都紙器ではJスクラッチを提案。キズを防ぐことができただけでなく、コストも抑えることができました。
この事例の詳細はこちらからご覧ください。
> 輸送中に化粧箱に傷がついてしまう」とお困りのお客様へ。コストをかけずにパッケージを保護する方法とは。
「商品パッケージの個性を表現して、消費者の目を引きたい」というニーズが年々高まっており、表面加工方法も進化しています。
お客様の商品を理解し、最適な製作方法をご提案したいと考えています。お気軽にご相談ください!