東都紙器ジャーナル

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製版フィルムや現物はあるがデータがない…!紙箱を作れずお困りのお客様へ

こんにちは、東都紙器です。

最近よくお客様から

「現物の紙箱から同じものを製作できますか?」

というご相談を受けます。

新規で紙箱を製作する場合、Illustratorで作成したデザインデータをお客様からいただき、それをもとに印刷をするのが一般的です。

つまりデザインデータがあれば、紙箱を製作することは可能です。

しかし過去の製品の中にはかなり昔に製作した紙箱などもあり、「デザインデータが存在しない」というケースがあります。

そこで今回は「データがない紙箱を作れるか?」についてご紹介したいと思います。

デザインデータがないのはなぜ?印刷業界の変化(アナログからデジタルへの転換)

なぜデータが存在しないケースがあるのかというと、近年の印刷業界に起こっている変化が影響しています。

従来の印刷では、デザインデータを透明の製版フィルムに出力していました。写真の左側が製版フィルム、右側がそれをもとに印刷したサンプルです。

製版フィルムを重ねて合わせて露光することで刷版にデザインが焼き付けられ、その刷版をもとに印刷をしていたのです。

しかし、ここ数年でデザインデータから刷版に直接デザインを焼き付けるCTP刷版が主流となり、フィルムを使わなくなりました。

さらに「デザインデータ」が作られるようになったのも、Macコンピューターが普及したおよそ25年ほど前からです。

つまりそれ以前に製作された紙箱は、手作業で版下を作成し、それをもとに製版フィルムを出力していたため、デジタルのデータは残っていません。

近年では印刷会社や紙器製造会社が不況により廃業が増えています。

そのため、他の会社に依頼したいがフィルムしか残っていない、あるいは現物の紙箱しか手元にない、といったことで困っているお客様が増えているようです。

デザインデータがなくても紙箱は作れる?

それではデザインデータがなくても紙箱は作れるのか?についてご紹介していきたいと思います。

  •  製版フィルムしか残っていない…
    最近では製版フィルムの需要がなくなり、作る会社も少なくなってしまいました。しかし製版フィルムがお手元にあれば、スキャニングすることで解像度の高いデザインデータが作成できます。ただ古い製版フィルムの場合、今は存在しない書体もあるため、文字修正等が必要な時、近しいものに置き換えるなどの作業が必要になる事があります。
  •  現物の紙箱しか残っていない…
    いままでご紹介した中でもっともハードルが高いご依頼です。現物のスキャニングはできますが、解像度が落ちてしまいますし、テキスト部分も全て打ち直す必要があります。東都紙器でお引き受けする際は、新たにデザインを書き起こし、なるべく現物に近づけるように工夫しています。

紙箱の再現だけでなく、グレードアップした事例も!

このようにデザインデータがない場合でも、紙箱を再現できる方法はあります。

さらに現物のコンセプトをしっかりと継承しつつ、紙材や表面処理を工夫してブランド力を向上させることも可能です。

デザインデータがない紙箱は、かなり前に製作されたものが多いです。

その時期よりも現在の方が紙材の質感や印刷・加工技術は格段に向上しているため、よりよい仕様の紙箱製作が可能になっています。

紙箱を製造できずにお困りのお客様は、ぜひ一度ご相談ください。

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