小さなボトルでいくつかの化粧品を同時に試せるトライアルセットは、どのブランドでも大人気です。
肌質に合うかを確認するだけでなく、旅行用として使うなど、繰り返し買う人も多いようです。
東都紙器でも「トライアルセットの化粧箱を作ってほしい」という依頼をいただくことがあります。
トライアルセットのパッケージ作りで難しいのは、それぞれの容器を固定して美しく見せることです。
輸送や陳列で少しでもボトルが動いてしまうと、正面からロゴが見えなくなり、美粧性が損なわれてしまいます。
そのため化粧箱でいかにボトルを固定するかについては、お客様も気にされます。
今回依頼いただいたトライアルセットは、5つの容器をセットする化粧箱です。
紙材の中仕切の場合、容器が多いと組み立て作業が複雑に
通常、容器が1つか2つの場合はEフルートの段ボールで中仕切を作ります。コストが安くなり、小ロットでも価格を抑えられます。
しかし今回は5つの容器を固定しなければなりません。そのため紙材の中仕切にすると組み立て作業が非常に複雑です。
こちらが段ボールで中仕切を作った場合の写真です。
この中仕切の展開図が下の写真です。
組み立てがとても複雑になるのが分かります。組み立て作業にとても時間がかかってしまうため、作業コストが増大するという問題がありました。
商品の箱詰め作業を効率化するブリスターパック
そこで今回ご提案したのが、ブリスターパックです。
東都紙器ではブリスターメーカーとパートナーシップを組んでいます。このメーカーさんは化粧品のブリスターに特化しており、高い専門知識と優れた技術を持っています。
さっそくブリスターパックの試作を依頼しました。容器を軽くくぼみに置くだけでパチッとはまり、全く動きません。生産工程において、箱詰め作業を効率化できます。
パチッと固定される秘密は、容器を支える位置に作られた小さな突起です。突起が浅いとチューブの容器は片側に傾いてしまうため、ちょうどよい深さの突起になるように試作を繰り返しました。
ブリスターパックの製造工程とは
今回は出来上がりをチェックするために、ブリスターパックを製造している工場にも行きました。
こちらは加工する前の素材です。シート状になっており、これに熱を加えて加工します。
まず、シート状のプラスチックを熱で溶かし、外側のくぼみを作ります。
次に容器を入れるくぼみを作ります。
こちらのメーカーさんはお弁当箱のパックも製造しているため、衛生面には細心の注意を払っています。下の写真は、下からエアーを吹き出して不純物を取り払う作業の様子です。
今回のブリスターパックの素材は再生ペットを使っていますが、バイオマス由来のものを使用することも可能です。また透明なものだけではなく、色付きも選べます。
化粧箱メーカーは従来から紙材を扱ってきたため、ブリスターパックとのコラボレーションはまだ例が少ないのだそうです。
ブリスターパックは金型を使うため、小ロットでは価格が高くなってしまいますが、1万個を超えると紙材の中仕切と同じ程度のコストに抑えることも可能です。
ブリスターパックと、紙材の中仕切の比較は次の通りです。
ブリスターパック | 紙材の中仕切 | |
コスト | 大ロットでは紙材の中仕切と同等のコスト | 小ロットではブリスターパックより安価 |
組み立て作業 | 不要 | 要:容器の数が多いと作業が複雑 |
環境配慮 | 再生ペット、バイオマス由来のものも利用可能 | 再生紙を利用可 |
「トライアルセットの容器が輸送中に動いてしまう…」「組み立て作業を効率化したい…」という悩みをお持ちの方は、東都紙器にご相談ください。コストを考慮して最適な構成をご提案いたします。
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