先日、東京紙器工業組合が主催する「打抜きオペレータ研究会」に参加しました。
打抜きとは、板紙を抜型に強く打ち付け、箱の形状通りに型抜きする作業のことです。美しく機能的な紙箱を作るうえで欠かせない仕事です。
「打抜きオペレータ研究会」は、打抜きの仕事に従事する人を対象として開催される勉強会です。他社の工場を見学し情報交換することで、レベルアップにつなげる狙いがあります。
東都紙器として課題を感じているのが、抜生地と不要な部分を分離する「ムシリ作業」です。
ムシリを手作業ですると2000枚で1.5時間かかり、人的な労働力の負担が大きくなります。
この作業を機械化すると20分程度でできるようになり、納期の短縮や生産性の向上につながるのですが、都心では工場のスペースを確保することが難しく、ムシリの機械を置くことができずにいました。
もうひとつの課題が人手不足の解消です。熟練職人も高齢化しつつあるので、若い人でも働ける環境を整備しなければなりません。
そこで社員数名で研究会に参加して、他の企業の方の意見も聞いて勉強したいと考えました。
ということで、研究会の出席に先立ち、勉強を兼ねて10月31日(木)には「JAPAN PACK 2019 日本包装産業展」に行きました。
ムシリ作業を自動化するいろいろな設備を見学することができました。女性でも簡単に操作できるように設計されていて、人手不足に悩む工場では活躍してくれそうです。
そして、いよいよ打抜きオペレータ研究会の日を迎えました。今回は埼玉県ふじみ野市にある株式会社新和製作所様の第二工場を見学させていただきました。
広大な敷地に大きな工場があります。新和製作所様では等身大のディスプレイ什器なども扱っているため、大型の機械が何台もあります。
そして驚いたのが、働いている3割以上の方が女性だということです。大型機械を使いこなして無駄のない動きをされています。また、中国人技能生が27人いて中には主任という責任ある立場で仕事をしている人もいました。
また、整理整頓が徹底されており、各工程が連続してできるようにまとめられていて、ひと目見るだけでも動線が工夫されているのがわかりました。
こちらでは2年以上経過した抜型は廃棄処分されるそうです。2年以上時間が経過してリピートオーダーが来る確率は20%以下ということで、抜型を保管することよりもスペース確保を優先するという考え方も勉強になりました。
東都紙器は今後も社員の働きやすい環境を整備し、さらなる品質向上に取り組もうという思いを強くした一日でした。