東都紙器ジャーナルでは、今まで紙箱を作るために必要な紙質や紙の塗工、表面加工など、さまざまな要素についてご紹介してきました。
今回は、意外と意識されていない紙箱の底部についてご紹介します。底部は作業効率や商品の性質、店舗での陳列などさまざまな要素を考慮して、適切なタイプを選ぶ必要があります。
底部のタイプ
底部については以下のタイプがあります。
- ワンタッチ式
オートマチックボトムともいいます。底部が糊付けされており、紙箱を広げるだけで底が自動的に組みあがります。
通常、紙箱の組立はお客様が商品梱包の際に行います。出荷数の多い商品の場合、組み立てる作業がコストに影響を与えます。底部に糊を貼る手間があるため、紙箱の価格は高くなる傾向がありますが、組立のコストを考慮してワンタッチ式を選ぶお客様も多いです。
また、糊付けにより底部の強度が高まるため、ガラス瓶など商品が重い場合に重宝します。 - 下組式
ハンドロックボトム、地獄底ともいいます。底が抜けないように、手で底部を組み立てます。
ワンタッチ箱に比べて、組立作業に若干手間がかかる形状で、ワンタッチ箱より組立作業のコストがかかります。また、見栄えやデザイン性は良いというメリットがあります。 - サック式
キャラメル箱ともいいます。底部と上部が同じ差し込み式のフタになります。
組立の手間はかかりませんが、強度が低く、底が抜けてしまう場合もあります。その弱点を補うためにバージンシールを貼ったり、下の写真のように蓋が抜けにく くなるよう、ストッパー(下記写真参照)をつけることもあります。
底部タイプに向いている商品は?
特徴を整理すると、以下の表の通りとなります。
価格 | 組立作業の手間 | 底面の強度 | |
サック式 | 低い | 中間 | 弱い |
下組式 | 中間 | 多い | 中間 |
ワンタッチ式 | 高い | 少ない | 強い |
どのタイプも長所と短所を併せ持つため、商品の特性に合わせて選ぶ必要があります。
- 化粧品
瓶など重さのある商品が多いため、ワンタッチ式、下組式が選ばれる場合が多いです。
- 菓子・雑貨
菓子・雑貨は箱を横向きに陳列することが多いため、底面が見える形で売り場に並びます。底面の折り目が見えると見栄えが損なわれるため、サック式が選ばれる場合が多いです。
- 薬品
薬品は高額の商品も多いため、底から指を入れられる構造になっていると盗難のリスクが高まります。そのため、糊付けされて底を開けることができないワンタッチ式が選ばれる場合が多いです。
東都紙器では、創業58年を迎えました。長年紙箱作りの研究を重ね、独自のノウハウを蓄積しています。底部についても商品の機能を最大限に引き出すタイプをご提案します。ぜひ一度ご相談ください。