化粧箱の製作で「正しい色を指定したはずなのに、サンプルは思っていた色と違った」という経験はありませんか?
これは実際に印刷する紙の種類や、印刷する機械の種類も違うため、微妙な色のずれが生じることが原因です。
そこで必要になってくるのが「色校正」です。
色校正は色を確認するための試し刷りのことで、お客様が思い描く色と、実際に印刷で出る色の差異をできる限り小さくしていくための大切な工程となります。
色校正の種類とは?
色校正には、3つのパターンがあります。基本的にお客様にパターンを選択していただいていますが、デザインの構成や使われる色によって、こちらからおすすめのパターンをご紹介することもあります。
- 簡易校正
インクジェットプリンターで専用の紙を使用して印刷します。文字通り簡易的な確認のためのものです。専用紙で印刷すると、発色が鮮やかになる傾向があり、実際の色とはかなり差異が出る可能性が高くなります。 - 平台校正
ガリ版のように1枚ずつ印刷していく方法です。簡易校正よりも色合いは印刷機の発色に近くなり、印刷機で校正するよりもコストを抑えられます。 - 本機校正
実際の印刷機にかけて校正する方法です。発色の差異は少なくなりますが、印刷機で校正する場合は100枚ほど刷らないと色が落ち着かないため、コストがかかります。
平台校正と本機校正で発色が違う理由とは
平台校正と本機校正は紙と版がオフセット印刷であるため、仕組みは同じです。それなのに、なぜ発色が違ってくるのでしょうか。
ひとつには、印刷スピードに原因があります。平台校正の場合、印刷機よりも印刷スピードが遅くなるため、インクが多く盛られ、実際の色よりも濃く、明るくなります。
例えばこの写真①は平台校正で、写真②は本機校正です。写真でみると発色の違いはわかりにくいのですが、平台校正の方は色が明るくなっています。また、平台校正の場合、取扱説明書の文字の印字が太く見えることがおわかりいただけるかと思います。
写真①平台校正
写真②本機校正
さらに、1枚の紙に複数の化粧箱を印刷する面付を行うとインクの流れが印字箇所によって違ってきたり、湿度や温度で違ってきたりと、発色はさまざまな条件で変化してしまいます。
東都紙器ではこうした発色の差異をなくすために、今まで蓄積してきたノウハウをもとに、色校正をスムーズに行えるように心がけています。
なかなかイメージ通りの色にならないというご経験をお持ちのお客様は、ぜひご相談ください。